Home > 歯科界へのメッセージ > カスタマーとしての患者さん―患者さん=顧客の立場で考えていますか?<1999.12>
コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。
ビジネス界では、今年もいくつものキーワードが生まれています。そのひとつに「カスタマーソリューション」があります。カスタマー(Customer)は顧客、ソリューション(Solution)は解決(策)、即ちしっかりと「お客様の問題解決」を実現している企業は、圧倒的な優位を獲得しているという分析です。
商品やサービスを提供する側の「思い込み」を捨てて、100%顧客の立場に立って考え、行動することが「勝ち組」「生き残り」のカギというわけです。「たった一人の顧客が抱える問題を『顧客参加』で解決せよ」「情報公開をしない企業は見捨てられる」。
「カスタマー・インティマシー」(Customer intimacy)もよく聞かれました。(Intimacyは「親交」)顧客との継続的なコミュニケーションを通じて親交を結び、それぞれの顧客固有のNeedに徹底的に応えることで、確固とした信頼関係を築き上げることです。
そして、今後も固定客として、長期にわたって自社の商品やサービスを愛顧し続けてもらおうという戦略です。企業間の競争が激化し、新規顧客の獲得が困難になっている今、新規顧客獲得にかけるエネルギーを「顧客囲い込み」に転換して活路を見出そうとする企業が増えています。
「カスタマー・サティスファクション」(Satisfaction = 満足)。日本でも「CS」として耳慣れた言葉です。最近では「技術が良ければ、品質さえ良ければ…」という旧来の考え方から脱却し、真剣に消費者が望む商品を開発し提供する、「CS推進室」や「CS委員会」を作って会社全体でサービスの充実をはかる企業が増えています。電話の応対ひとつ、以前とは違います。皆生き残りをかけて必死の努力を続けています。
企業は今、経営の原点をCustomer「顧客」に据えて大胆に自己変革に挑んでいます。医療もサービス業(厚生省)としての営みで、それも「健康」という人間生活の根幹に関わるサービスだけに、なおさら患者さんに対して十分な情報を提供し、サービス(医療技術)を充実させ、院長やスタッフ全員で、患者さん(クライアント)の健康と幸福のために尽くし、満足していただくという姿勢を貫かなければなりません。
来年のWTOにおける「自由化」交渉は、まさに医療に対するし烈な競争原理の導入をめぐって行なわれるのです。もうすぐ、記念すべき千年紀(ミレニアム)を迎えます。世界の先行きは引き続き不透明ですが、来るべき2000年、そしてそれに続く2001年(21世紀)を健康と幸福の時代の出発点とするために、共に力を尽くしてまいりましょう。
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