Home > 歯科界へのメッセージ > 21世紀歯科医療を展望して個々の患者さんに向き合い、夢を語ろう<2001.2>
コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。
新世紀、歯科医療が大きく変わる時代の幕開けに向き合い、皆様方もさまざまな抱負を胸に抱かれたことと思います。年明け早々、歯科医師国家試験をめぐって歯科界に緊張が走っています。しかし、それもいわば前世紀型の構造的な汚点「過去の残滓」です。
歯科界は、これを機に、狭い自分達の権益のみを守ろうとする行動様式をきっぱり清算しなければなりません。歯科界全体が新しい時代へ脱皮する試練と受け止めなければなりません。歯科界からの反省と改革への強い決意の声は未だ聞かれません。患者さん、そして国民全体が、いまあらためて歯科界に大きな関心を寄せ、その対応に注目しています。
21世紀は「予防の時代」です。歯科医院の仕事は「健康を守り育てる」予防歯科にシフトし、咀嚼機能や審美、即ちQOLの向上とアメニティーや癒しをも提供する役割が期待されています。知られているように北欧諸国では予防歯科を推進した結果、15年間でDMFT値を5分の1から8分の1まで下げることに成功し、その後の歯科医療は、歯周病や歯を多く残している高齢者のケア、QOL向上へと重点が移行しています。即ち、21世紀は「病人」(患者:Patient)ではなく、健康な「人」そのもの(即ち顧客:Client)に対して専門的で高度な医療サービスを提供する役割へと進化していきます。
また口腔疾患と全身との関わりがクローズアップされているように、医科との連携のなかから新たな歯科の需要が創出されるでしょう。患者さんの願いは様々です。その個々人の希望を、患者さん自身が主体的に参加し、ドクターやスタッフとの共同の中で実現させていく過程は、「病気を治す」役割を超えた創造的な夢にあふれています。私たちがこれまで「21世紀を歯科の時代に」と提唱してきた所以です。
私たちコムネットは、これまで1200を超える歯科医院を応援させていただいています。そのなかで患者さんに愛され、繁栄する医院に共通する要因を見出すことができます。それは
もちろん、これは繁栄の「前提条件」であり、飛躍するには、医院の「独自性」を強めなければなりません。しかし、医院のトップである院長に第一に求められることは、患者さんを安心させ、元気づける「笑顔と活力」を身につけることです。そしてスタッフを励まし、ともに語り合うことです。見回せば厳しさばかりが目につきますが、歯科界には大きな可能性にあふれる未来が待っています。その実現のために、医院経営、ドクターの考え方の枠組(パラダイム)を患者さんの健康のため、幸せのために貢献する医療サービスを提供するという軸に据えて、夢と希望を抱いて新しい世紀を前進していきましょう。
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