Home > 歯科界へのメッセージ > 経営向上の中心テーマ=増患<2003.8>
コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。
平成13年度の「歯科医療費」が発表されました(日本歯科医師会)。歯科医療費の総額では前年比0.5%上昇しているものの、1診療所あたり平均の月間件数は203件(▲1件)、収入が314万8211円(▲0.6%)という数字。5年連続で「前年比マイナス」を記録しています。
昨年10月の高齢者負担増、今年4月の社保本人負担3割化によって、連続でさらに前年を下回ることが予想され、「将来への不安」が一段と広がっています。むろん、この数字はあくまでも「平均」であり、収入が月100万を切る歯科医院が相当数存在しているのも事実です。
「どうすれば良いのか」を真剣に考え、行動に移しているドクター(経営者)は全体のおよそ2割というのが、私たちの実感です。
プラークコントロールの努力と口腔の健康状態が必ずしも一致しない状況と似て、特別努力しなくても経営が安定している医院がある一方、どんなに努力しても低迷している医院が存在します。しかし医療も「サービス業」であり、この資本主義社会で年々その「市場原理」が強められている以上、ドクターにも「医業」を継続し発展させるための「経営マネジメント」能力が要求されます。
どんなにがんばって努力しても、それが的外れなら「経営向上」に対して何ら効果がないのです。同時に、通常の活動自体が原則に適ったものであれば、それほど苦労しなくても自然に経営は上向きます。
企業の「経営」にとって最大の課題は「増客」。歯科においては「増患」、その原理は同じです。どんな会社でも、「お客様」が増えているところは業績を伸ばしています。
「行きたくなる」歯科医院も同じです。収益を増やす為に「客単価」を上げるという方法もあります。歯科の場合「保険治療をまじめにやればやるほど苦しくなる」という声をよく耳にします。「だから自由診療を増やし、患者数を抑え、同時に増収を図りたい」と。頷ける点もあります。しかし、一般的に「質的向上」は「量的増大」の基礎のうえに成り立つものです。
顧客増大、即ち常に安定的に新規の患者さんを導き入れることが決定的な要素です。『売上高』は『顧客の数』×『商品の価格』で決まるのです。
『顧客』を増やすには、その条件である『商品力』『価格力』『サービス力』それぞれを強め、お客様が集まる会社にしなければなりません。顧客を患者と置き換えて、患者さんが集まる歯科医院づくりをすすめるには、卓抜した治療技術、最新の設備、それも「商品力」アップのひとつの方策です。しかし、疾病構造の変化、消費動向をみれば「予防」「健康」「美」へシフトしていることは明らかであり、それに対応できる「商品力」を獲得しなければなりません。
「健康増進時代」に歯科医院から発信できる「商品」は何か。コムネットのネットワークには、価値のある商品を開発し、志をもったドクターが数多く参加しています。それが私たちの宝であり、誇りです。「歯科の土俵」を広げ、「顧客」を増やし、医院経営を向上させる良循環をともに築いてまいりましょう。
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