歯科界へのメッセージ

Message to the dental world

コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

摂食機能療法のうねりを!

●佐賀に溢れる240人の熱気

2008年5月31日、有明海に近い佐賀市東与賀文化ホールは240人の熱気で埋まりました。佐賀県歯科医師会の主催による「平成20年度摂食機能療法セミナー」。全県で420医院ほどの佐賀県で、これだけの歯科医師、スタッフが集まったことは、高齢者医療にたいする佐賀のみなさんの実践と情熱の強さを反映しています。

講師はMパタカラ開発者で「在宅訪問歯科診療・口腔機能研究会」代表の秋広良昭氏。「後期高齢者の『生活』を重視し、いかにして高齢者の『尊厳』を守るか」という観点から、あっと驚く各地の改善症例、実践を紹介しました。なかでも要介護度5で寝たきりだった人が、半年後には要介護度が3に改善して車椅子で自走し、見事にターンする岩手・遠野市の施設での映像に、参加者は目を見張りました。やったことはMパタカラによる表情筋エキササイズだけ。「まさか!」「ほんとうにこれだけで!」。セミナーには「目からうろこ」という感想がたくさん寄せられました。

●ターゲットはADL・QOL

秋広氏は、「観血処置」に象徴される従来の歯科治療の概念、また高齢者歯科の「口腔ケア」「義歯の制作・調整」という領域から、新しいターゲットとして「患者家族が本当に望む症状の改善」をかかげ、表情筋エキササイズによって、よだれ・笑顔・会話・飲食等、人間として「あたりまえの生活行動」(ADL) を改善・向上させることが可能であり、それが「人間としての尊厳を重視した医療」である、と強調しました。従来の「歯科領域=口腔内の軟・硬組織」という概念を超えて、口腔を通じて全身症状の改善、健康増進に寄与すること、それは難しい処置でもなく、高額な機器も不要で、患者さんにパタカラをくわえていただくだけでできるのです。副作用が「小顔」「美肌」となれば取り組まない手はありません。「老化とは『筋力の低下』のこと。表情筋を鍛え脳血流を増やすことがどれだけQOL向上に寄与するか、いま多くのことが実証されています」(秋広氏)。

●歯科医師会主催研修会を!

現在、全国各地で「在宅療養支援歯科診療所」の施設基準を満たすための研修が行われています。認定されるためには、訪問診療の実績があり、歯科衛生士が配置され、患者家族への文書による事前説明、他の医療機関や福祉サービス機関との連携等いくつかの条件をクリアすることが求められていますが、なかでも「後期高齢者の心身の特性、口腔機能の管理、緊急事態対応等に係る適切な研修」を修了した常勤の歯科医師が1名以上いることが条件となっています。当初は、スタディグループなどが主催する研修で認定可能といわれていましたが、その後「国および地方公共団体」「日歯・都道府県歯・郡市区歯」等に絞られ、スタディグループ、大学同窓会は該当しないことが明確になりました。

この流れをうけて、私たちはMパタカラによる「摂食機能療法セミナー」を、各地の歯科医師会主催で開催することを呼びかけ、その応援をおこなっています。会員の先生方にはぜひ、その先頭にたって開催を呼びかけていただきたいと思います。コムネットは、各医院で訪問診療を開始するうえで必要とされる提出書類や診療録など、ノウハウとツールも準備してサポート体制を強めております。

何よりも、患者さんの笑顔と健康のために、そして、激流の歯科界でなんとしても経営を向上していただくために、訪問診療にMパタカラによる摂食機能療法をとりいれていただくことを心から呼びかけるものです。

あなたの歯科医師会でも、ぜひセミナーを!

歯科医師会主催で「在宅療養支援歯科診療所」の施設基準を満たす研修会を開催してみませんか。在宅歯科診療の分野へ進出するために欠かせない研修会です。コムネットまでお気軽にお問い合わせメールにてご連絡ください。