歯科界へのメッセージ

Message to the dental world

コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

確かな羅針盤をもって

●新しい春・新年度のスタート

桜(ソメイヨシノ)の開花とともに新しい年度が始まりました。一番早く開花した高知(3月11日)から北海道の根室(5月25日予想)まで、桜前線は2ヵ月以上かけて日本列島を北上します。「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同(毎年花は同じように咲くが、それを見る人は同じ人とは限らない)」(劉希夷)。本欄でもたびたびこの詩を引用していますが、昨今では「温暖化」によって開花が数日早まり、地方によっては逆に遅れ、「咲かない」など桜にも「花不同」の状況がうまれています。

世の中も歯科界も激変の時代、これまでと同じことを同じように続けるだけでは、政党も企業も歯科医院も存続すら危うくなる状況です。いかなる環境の変化にも対応できる柔軟でフレキシブルな発想とスピーディな行動力が求められる新年度の開始、心してスタートしたいと思います。

● 「患者さんの視点」を原点に

そのためには、何をもとに事業や仕事をすすめてゆくのか、どこに立脚点を定めて業務や診療を組み立てていくのか、理念と目標がもっとも大事な前提となります。

熊本の山崎芳徳先生を紹介した先月号のインタビューには、ケタ違いの負債をかかえながら、逆境にくじけることなく、人生と診療をたて直したパワーがすごいという感想をいただきました。確かに普通なら絶望しかねない巨額の債務を抱えてがんばりぬいたパワーは並みのものではありません。

大事なことは、彼がどん底から這い上がり、歯科医療に向かったときに「患者さんの視点」から医院の診療内容や体制を見直したということです。そこが「原点」だからです。そして、患者さんの「悩み」や「不満」、口に出せないままに遠のいてゆく「苦情」に的確に対応したことが「V字回復」、医院再生の原動力になりました。

その詳細は、ぜひ4月4日の21世紀セミナー、6月12日の九州デンタルショー出展社セミナーでお聴きください(いずれもコムネット主催・福岡市で開催)。
>> 4月4日 福岡開催 危機を乗り越える歯科医院経営セミナー in 福岡(終了しました)

●“会員情報誌・Together”オールカラーで新登場

今月号から“会員情報誌・Together”は全面カラー版に移行しました。それは私たちの長年の夢であり、これから皆様への情報、企画のご提供をよりビジュアルに、より充実させることができると考えております。

本誌に私たちが込めているものは、常に医療にとって最も大切な患者さんの視点から、第1に、歯科が日本の医療のなかで果たすべき役割をともに考え追求していきたいという思いです。第2に、患者さんとの相互信頼を構築する武器であるデンタルサポートのノウハウ、ツールを提供することです。第3に、法務、財務、労務、建築等、歯科に精通した専門家による医院経営向上に役立つ情報提供と支援を行うことです。第4に、OBも含めて契約歯科医院の方々の「交流の場」にしたいということです。さらに第5には、歯科界に向けて、会員のドクター、スタッフのみなさんを歯科活性化の元気印、トップランナーとして紹介したいということです。

そして、これらをつうじて、厳しい時代をともに生き抜く知恵と力と仲間の輪を築く<絆>としての“Together”にしていきたいと考えています。

●確かな「羅針盤」をもって進む

日本は、政治、社会すべてにおいて大きな曲がり角に立っています。インプラント使い回し、海外技工物の衝撃に日本中が揺さぶられている、そんな今だからこそ、歯科が国民、地域の人々の健康と幸福にとって何をなすべきかを考え、行動するときです。そのためには真摯に、医療の原点に返って進むための「羅針盤」が必要です。

私たちの原点は「患者さんを真ん中にした医療」の創造。それが医院経営の「王道」であり、経営向上の基礎と考えています。毎月ご紹介している安定経営、飛躍する歯科医院の姿がそれを物語っています。ぶれることなく「志」を抱き「夢」を描いて進んでまいりましょう。

私たちは常に皆様方とともに、歯科界の羅針盤であり、行く手を照らす希望の灯台でありたいと思っています。