Home > 歯科界へのメッセージ > 「景気満開」の極意<2011.1>
コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。
「景気満開」の極意
●「こんな時代」でも絶好調!
昨年大晦日の朝、フジテレビ(FNN)は、3時間の生番組「ニッポン景気満開テレビ」を放送した。それは、一刻も早く景気が回復して、希望をもって新年を迎えたいという国民共通の願いに応え、この時代でも飛躍している会社、確実に業績を伸ばしている人や企業を紹介する内容だった。
コンセプトは「日本人のDNAに刻まれた『景気満開』に導く『絶好調の極意』」。
なかには「成功」というキーワードでは必ず名前が挙がる「リピーター率90%超圧倒的集客力」のTDL(東京ディズニーランド)も含まれていたが、多くはほとんど無名の中小企業だった。しかし、まさに「厳寒」を突破するアツイ人や元気な企業ばかりで、次々に登場する11の「絶好調」の極意から目が離せなかった。
●枠組みを外し視点を変える
リヤカーの「引き売り」で年間11億円売り上げる築地の豆腐屋「野口屋」の「極意」は、店で待っていては売れない。「リヤカーで歩くと見えてくるものがある」。スーパーで売ると1丁28円だが直接販売は自分で価格を決められるし(320円)、何より「人に届ける」ことで喜ばれふれあいが生まれる、というものだった。
下町の航空部品下請メーカー「渓水」は親会社からの注文減少に対して受身の受注生産ではなくオリジナルの製品、それも「自分がほしいモノを作ろう」と決意。1/1000ミリの熟練の技を駆使した製品がセレブの絶賛を浴び、英国王室御用達に選ばれるという飛躍を遂げている。
従来の枠組みを外し、視点を変えてアクションを起せば、今までにはない別の新しい世界(市場)が広がるのである。
●18期連続増収増益のヒミツ
九州北部を中心に43店舗を展開するスーパー「ハローディ」のテーマは「食のアミューズメント」。同業者の視察が日本一多く、売り場には巨大な鯨やキノコのディスプレイが並び、刺身のデコレーションケーキも。これらはすべて社員(パート)が自ら作ったもの。社長は店内を巡りながら「これはすごい」とひたすら社員を褒めて握手、また褒めては握手して回る。「社員さんにはただただ感謝あるのみ」と社長。
同社の「極意」は「どうしたら自分達が楽しくなるか。アイディア、実行のチャンスを与えて評価する。私の仕事は『環境作り』」と語る。そして「笑いながら18期連続で増収増益」という実績。商品の価格は決して安くはない。それでも客をひきつける極意はそのまま歯科医院にも応用できる。
ほかにも、日本最古の会社「金剛組」、BSEによる危機をリストラせずに突破した「柿安」、1日2万個売れる温泉場のスーパー「さいち」のおはぎ、口蹄疫に負けず「信念」で売上50%増の宮崎ブランド「尾崎牛」、「おばあの生き方」から、昨年No.1のヒット商品「食べるラー油」を生んだ石垣島「辺銀食堂」など、「打つ手は無限」であることを物語っていた。
●「景気満開」の法則を活かす
これら絶好調の「極意」には共通する要素がある。最大のポイントは「人」。組織は人で成り立っており、モノを作るのも人、サービスをするのも、売るのも人である。社員も(ES)お客さまも(CS)大切にして楽しんで仕事をすることが「絶好調」の基本条件である。経営は「人がすべて」ということを教えている。
そして「思い」。「人を喜ばせたい」という思いやりや「いいものを作りたい」という信念、それが企業理念の柱なのである。
さらに「技」。思いがあっても技がなければ伝えられない。お客様に感動を与える高品質の価値を産みだす「技術」が不可欠である。
経営には会社の大小を問わず、どの業種、業態にも通ずる原理原則がある。歯科医院は医療機関だが、同時に「経営体」として適正な収益をあげ、事業を維持継続発展させることが求められる。それは、ほかならぬ患者さんや地域への責任でもある。
歯科医療の仕事に「夢」と「喜び」をもち「希望」に燃えて向かってゆくために、ともに「景気満開」をめざしていこう。その「極意」は身近なところにある。
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