歯科界へのメッセージ

Message to the dental world

コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

<希望>へのワンステップ

●創立25周年の感謝!

コムネットは、今から25年前の1987(昭和62)年10月14日に東京・新宿で産声をあげて以来四半世紀、日本の歯科医療の発展と歯科医院経営向上、そして何よりも日本国民の笑顔と健康を願って活動を続けて参りました。この間、コムネット・デンタルサポートの会員になっていただいた歯科医院の総数は1878医院にのぼります。
ここに、長年のご愛顧、ご支援いただきました全ての皆様方に対し、社員一同心から感謝し御礼を申し上げるとともに、これからも、医院経営・院内コミュニケーション活性化のパートナーとして、コムネットをどうぞ宜しくお願い申し上げます。

●歯科界激動の四半世紀

この四半世紀を俯瞰すると、日本の「混沌と低迷」時代のなかで、歯科界も大きく揺れ動き「変革の時代」の真っ只中を進んでいます。25年前の全国の歯科医院数は48,300医院(1987年)。国民医療費は18兆円、歯科はその中の10.3%の1兆8800億という数字でした。それが今は、国民医療費が37兆円と2倍以上に膨らんでいますが、歯科は2兆6千億円(7.0%)と長期にわたって低い伸びに留まっています。医院数は68,453医院、歯科医師は10万人を突破しました(2010年)。結果、1医院当たりの1日の来院者数は、25.1人(1987年)から19.3人(2008年)まで20%以上減少し、「医院経営は危機的状況」(日歯)と叫ばれています。

●12歳DMFT 1/3以下に

一方、国民の口腔状態も大きく変化しています。この25年間で、12歳のDMFTが4.9本から1.4本に激減し、残存歯が8004から8014へと増加するなど、歯科のメインターゲットであるむし歯においては(数値としては)大幅に改善しました。一方、歯肉炎などの歯周疾患が75歳以上で大幅に増加するなど、残存歯数の増加に伴って、口腔内の状態が変わり疾病構造も変化していることを表しています。また昨年の国会で、待望の歯科基本法「歯科口腔保健法」が成立し、人々の健康に果たす口腔の役割が位置づけられるなど、まさに「削って詰める」Drill・Fill・Bill の時代に別れを告げる「歯科の時代」に向けたスタートラインに立ったといえるでしょう。

●予防&「新しい価値」創造

25年前、私たちは、患者さんを真ん中にして、予防歯科の推進と、歯科医院と患者の間にあるギャップを埋め、信頼関係を築くことを柱とするデンタルサポートの仕事を立ち上げました。そのテーマは、これからの歯科医院経営にとってますます必要不可欠なものであると考えます。補綴中心の「後追い治療」から脱却して「予防」にシフトする、そして良好な咬合・噛む機能を育成するとともに、患者さんの願いである「健康」と「美」すなわちQualityOf Lifeに焦点を定めた審美や口臭、食育、栄養指導から子育てまで、多様なテーマにチャレンジする。こうした歯科の「新しい価値」の創造をめざす医院経営を進めるなかに、歯科の活躍の可能性と経営向上の道があり、その先に歯科の明るい未来があると考えています。口腔をつうじて、全身の健康と人々の幸せをめざす「新しい歯科医療」の<希望>へのワンステップを、心から応援します。