歯科界へのメッセージ

Message to the dental world

コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

ともに希望を灯す年に

●2013癸巳(みずのとみ)の年

年が改まって2013年も1ヵ月が経過しました。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
暮れの総選挙で自民党が大勝し「経済成長による富の創出」を唱える安倍内閣が誕生(復活)しました。今年は「癸巳」(みずのとみ)の年、「陰と陰の相剋」の年と言われます。
国民感情は、長く続いた「陰」の自民にウンザリして「陽」と思って民主を選んだが、民主党もやはり「陰」でガッカリ。さらに「第三極」も期待はずれで、結果自民が予想外の圧勝「剋」を納めたのです。国民の支持を得た勝利ではないことは当の安倍氏が一番知っているはず。強引な「アベノミクス」の陽と陰のせめぎあいのなかで混迷の時代が続くでしょう。

●誰かに「頼る」発想に決別を

歯科界では各地で参院選の支援先を民主から自民に戻す動きが顕在化していますが、「聖域なき構造改革」を叫び、医療費抑制&規制緩和で日本の医療を破壊した「小泉劇場」を忘れてはいないでしょう。その再来がないと言えるでしょうか。「安倍バブル」に浮かれている場合ではありません。根拠のない「期待」だけで判断するのは早計で危険です。政策もマニフェストも簡単に変える歴代の政治に右顧左眄するのはやめにしましょう。
政権がどこになろうと、私たちは何かに「頼る」発想に決別し、誰のために何のために働き、日々どのような診療を実践し、この国にどのような歯科医療を築いてゆくのかを、原点に返って問い直し、考え、行動を起こすべき時を迎えています。

●「被災地のためにがんばる」

先日、文化放送ラジオの番組「日曜はがんばらない」で、医師の鎌田實さんが「これまで『がんばらない生き方』を提唱してきたが、被災地では復興は何も進んでいない。被災地支援のために『気合を入れてがんばる2013年』にする」と力説していました。鎌田氏は国や自治体に対して復興にもっと強力に取り組むことを求めるとともに、自らJIM-NET(ジムネット:NPO日本イラク医療支援ネットワーク)の代表を務め、今なお1986年の原発事故の放射能に苦しむチェルノブイリの応援を続けています。またイラクの小児がんの子どもたちの支援と福島の子どもたちを放射能から守る活動「あしたのチョコレート」募金を展開しています。
その思いに共感するとともに、私たち(個人も組織も歯科界全体)が忘れてはならないこと、そして私たちにできることがたくさんあることに気づかされます。

●ともに「希望の灯」をともそう

東日本大震災からまもなく2年。亡くなられた1万8877人(警察庁1月16日まとめ)の三回忌にあたり、今なお行方不明者が2700人、避難生活者も32万人に及び「復興」には程遠い生活のなかで展望を見出せず、苦しんでいる人がたくさんいます。「千年に一度の国難」です。被災地の方々が負った苦しみ、悲しみに心を寄せて、被災地支援でできること、そして支援にとどまらず、患者さんのために、そして自分以外の誰かのためにがんばる年にしようではありませんか。そのために行動を起こす年にしましょう。天から与えられた時間には限りがありますが、そのなかでもできることは山ほどあるはずです。
この癸巳の年、蛇の生命力と運をもらって、みんなでしぶとく乗り越えていきましょう。自分たちの手で、被災地にも自分自身にも「希望の灯」をともす年にしていきましょう。